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2013年8月18日日曜日

ブラック企業ってなんだ?!

ブラック企業とは
近頃、ブラック企業という言葉がメディアを賑わせていますが、正直、私はブラック企業の定義がよくわかっていません。当ブログをご覧の皆さんはきちんと理解出来ているでしょうか?

wikipedia によるとブラック企業とは、

広義には入社を勧められない労働搾取企業を指す。労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いたり、関係諸法に抵触する可能性がある営業行為や従業員の健康面を無視した極端な長時間労働(サービス残業)を従業員に強いたりする、もしくはパワーハラスメントという暴力的強制を常套手段としながら本来の業務とは無関係な部分で非合理的負担を与える労働を従業員に強いる体質を持つ企業や法人(学校法人、社会福祉法人、官公庁や公営企業、医療機関なども含む)のことを指す。

だそうです。この説明を読むと、「うんそうだ。その通り。それこそがブラック企業だ。」と納得出来るのですが、では、全ての法令に一切抵触せず、グレーゾーンな条件での労働を一切従業員に強いず、長時間労働を強いず、パワハラによる負担を一切与えていない企業や法人って、いったい日本全土でどのくらいあるのでしょうか。

「全てにおいて当社は完全無欠だ!神に誓ってもありえない!」と言い切ることの出来る企業・法人はそれほど多くないのではないでしょうか。私の認識では、企業・法人の規模の大小を問わず、多かれ少なかれ、何がしかのブラック的な部分というのは抱えているように思われます。皆さんの会社や取り引き先、お知り合いの会社はどうでしょうか?

ブラック企業の基準
私はブラック企業があってもいいなんて言ってる訳でも、逆にブラック企業なんてあり得ないと言っている訳でもありません。そんな会社があるなら当然吊るし上げられても仕方ないと思っていますし、ブラック企業撲滅に力を入れるべきだとも考えます。ただ現在、リベラルを自認するマスコミが、ここぞとばかりにブラック企業のあぶり出しと叩きに懸命なように、労働争議発生=ブラック企業などという安易な図式には納得が出来ていないのです。

あくまでも私の感覚ですが、100%のブラック企業なんてほぼ存在していないし、0%のホワイト企業だって存在していない。ほとんどの企業はその中間であるグレー企業であり、その濃淡が99%だったり56%だったり27%だったり‥‥。もちろん明確な基準なんて作れないのですから、例えば60%以上はアウトで30%以下ならOKなんていうラインも実質的に引くことは不可能です。

しかし、実際にマスコミはいくつかの企業を槍玉に挙げてブラック企業だと叩いています。誰でも知っているような大手企業ばかり‥‥。正直、地方の中小企業にどれだけブラックな会社があろうと、恐らくメディアが取り上げることはないでしょう。誰も注目してくれませんからね‥。

ブラック企業の問題点
では、これだけメディアで取り上げられながらも、ブラックと呼ばれる企業が減っていく気配を見せないのはなぜでしょう。言うまでもなく、経営陣と労働者との認識の違いです。仕事に対する意識の違いと言ってもいいかもしれません。

恐ろしいことですが、ブラックと呼ばれる企業経営者の多くは、なぜ自社がブラックと呼ばれなければならないのか理解出来ていませんし、時にはそのことに憤慨していたりします。なぜなら、ブラック企業という視点はあくまでも労働者サイドからのものであり、経営者サイドのものとは明らかに違っているからなのです。

経営者は企業の持てる資源を有効活用し、少しでも多くの利益を出さなければなりません。そのためには経費の節約もしなければならないでしょうし、時には人件費の圧縮も試みなければならないこともあります。ただ、それらは基本的にどの企業も行っていることであり、ライバル企業に勝とうとすれば、圧縮された経費を更に圧縮し、それによって原価を下げ、ライバルより少しでも低い売価設定をということも想定されます。

かといって、そのしわ寄せを力の弱い労働者へ向けられては困るから、労働基準法他各種法令で守らているわけですが、それら法令を守らない場合もあれば、守っているのか守っていなのか判断に困るようなギリギリのところまで削りを入れてきたりします。法令無視の場合はともかく、経営陣としてはビジネスとして至極当然のこと、または仕方ない措置としてそれらを実施していますから、少なくとも外部からブラックだなんて言われる筋合いはない!ということになるのです。

ブラック企業ではない?
ところで、昔から過酷な労働環境と言われながら、ブラック企業としてはそれほど名前の出てこない業界があります。例えば商社や証券業界などです。

それぞれの業界がどう苛酷なのかは今さらここでご紹介はしませんが、なぜこれらの業界がブラック企業として叩かれないのかの理由は明確です。どれだけ過酷な労働環境であろうが労働条件であろうが、出てきた実績に対しては誰もが納得するだけの報酬を支払っているからです。いいか悪いかは別にして、払うべきものをちゃんと払っているから労働者からの文句も出ないし(または少ないし)、逆に周囲からは羨ましがられたりするのです。

そうなんです。現在メディアでブラックとして叩かれている企業の多くは、薄給でこき使っているからという場合がほとんどなのです。本当の意味で労働環境が悪いからではなく、なのにこんな給与で働かせやがって!という不満の現れと見ることが出来ます。

となると最初に引用したwikipediaのブラック企業の説明は十分なものではないということになります。



という長い長い解説を踏まえ、労働者と経営者双方に私なりのアドバイスをまとめてみました。何だかとても偉そうですが(^^;。
労働者へのアドバイス
ネット時代で小さな会社でもそれなりに情報を入手することは出来ますから、事前の情報収集はとても大事です。そのうえで、自分が企業や労働に対して何を求めるのかによって、企業を選びましょう。大きな報酬を望むのであれば自ら進んでブラック企業で働くという選択肢もありです。安定や気楽さを求めるのならよりホワイト寄りの企業選択を。やりたい仕事がそもそもブラック業界であれば、自らが改革の口火を切るくらいの意識が欲しいところ。

いずれにしても、今の時代、就職した企業で定年までずっと働かねばならないという意識を捨て、ダメだと思ったらさっさと次を探すくらいでも私はいいのではないかと思っています。無理して我慢して、結局心や身体を壊してしまっては元も子もありませんからね。ただし、安易な転職の繰り返しは自らを貶めることになる場合もありますので、その点は十分注意を。

経営者へのアドバイス
生まれ付いての経営者という方はともかく、一度でも労働者として仕事をしたことのある方であれば、労働者としての視点もしっかりと持っておいてください。確かに高額な報酬を支払えばブラック企業と呼ばれたりしませんが、なかなか容易でないことは労働者だってわかっています。法令違反はもっての外ですが、多少のグレーくらいなら無茶を言ったりしません。その境目は、あなたが社員に対して見せる人間性次第です。皆で夢を共有してください。皆で夢を追いかけてください。

もしあなたが社員を道具の一つ、帳面上のコストの一つくらいにしか考えていないのであれば、せめて報酬くらいは充分に出してください。不満はたらたらかもしれませんが、少なくともブラック企業と呼ばれる可能性は少なくなるでしょう。

え?それなりの報酬を出す気もないし、ブラック企業と呼ばれようと気にならない?うーん、困りましたね。もしそうなら自らブラック企業と名乗ってください。間違いなく社員の集まりは悪くなると思いますが、もしかしたら面白い社員が集まってくるかも‥‥しれません。

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